2001年水無月【職人の手】の巻

どんな職業にも「向き」「不向き」ってあるようですが、皆さんはいかがですか?
「おまえは向いてない」なんて頭ごなしに言われたら「努力次第で何とかしてみせる」って、食ってかかるのではないでしょうか?

ある若者は和菓子職人になりたくて、意中の和菓子屋を訪れ主人に弟子入りを申し入れました。
ところが、いきなり手をとられたかと思うと「おまえは向いてない。」と出鼻をくじかれてしまったのでした。
彼の指がゴツゴツと太かったのか、はたまた爪でも伸びていたのか・・・?
いえいえ、その理由はただ一つ。
「手がとても温かかったから」

和菓子は素手で、一つ一つ心を込めて作るもの。
特に練りきり細工はその手の中で、いかようにでも美しく変化を遂げていきます。でも、高温と乾燥には弱く、手が温かければ細工の途中でべたついて形にならず、仕事が遅ければパサついて品物になりません。
それゆえ細工は正確かつ素早く施さなくてはなりません。
不器用なのは経験が補ってくれるけれど、手の温かいのはどうしよういもないということなのでした。
職人志願の前に、あなたの手はどうですか・・・
 〜かしこ〜